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登場人物

平井和樹(かずき)♂(14)・・・中学二年生
大森桃香(ももか) ♀・・・和樹の隣人
大森綾香(あやか) ♀(3)・・・桃香の妹

昨日、隣の部屋に新しい人達が引っ越してきた。手土産を持ってうちの家に挨拶に来たのは小さな子供を連れた初老の女性と・・・・・驚いてしまうくらい美人のお姉さんだった。
「よろしくね」
そう言って笑った彼女に対し反抗期の僕は何も言わずにただ頷いただけだった。
「いくつくらいかな・・・・・高校生?ひょっとして大学生かも・・・・」
その夜僕はベッドの上で彼女の笑顔を反芻し、眠れない夜を過ごした。
「もうちょっと愛想良く返事しておけば良かった・・・・・」
後悔が頭をよぎる。
これだけなら中学二年生の男の子の甘酸っぱい初恋の思い出というだけだったろうけど、話には続きがある。まさかあんな事になってしまうなんて、その時は考えもしなかった。

数日後、僕は夕食の買い物の帰りにばったりと隣のお姉さんに出くわした。
「あら、お使いかしら?偉いわね。」
中二にもなる僕にちょっと失礼な発言かなと思ったけど、彼女の笑顔はすぐにそんな事を忘れさせるのに十分だった。
「は、はい!うちは母子家庭なんで・・・今日は母が遅いから・・・。」
自分でも不思議なぐらい僕の声はうわずっていた。
「ふーん、そーなんだ。でも、とってもしっかりしてるわね。」
「い、いえ・・・・・・それほどでも・・・・・。」
その時の僕は真っ赤になっていたと思う。そしてお姉さんから思いがけない言葉が飛び出した。
「じゃあさ。今日はうちに来て一緒にご飯食べない?うちも今日は母がいないから妹と二人きりの夕食なの。」
「えっ?・・・・・・えっ!?・・・・・・」
あまりの幸運さに僕の心臓が高鳴る。
「あら?見知らぬお姉さんと一緒にお食事なんて嫌かしら?」
「そ、そんなことありませんっ!!」
僕はマンション中に聞こえる程の大声で叫んでしまっていた。
「じゃあ、どうぞいらっしゃい。」
「失礼します。」
荷物を持ったままドキドキしながら入った隣家の中は、当たり前だが我が家と同じ間取り。ただしシンメトリーとなっているのでちょっと感覚がおかしい。
「あっ、可愛いですね。妹さんですか?」
足下にまとわりついてきた3歳ぐらいの女の子の頭を撫でながら、僕はお姉さんに話しかけた。
「そうよ、お転婆で困っちゃうの。さっ、そこの椅子に座って。」
指示された椅子に座った僕の視界には大きなテレビと、半分ほど開いたドアの隙間から見える四畳半の部屋。そこにちらりと見えた赤いランドセルが僕に最初の違和感を感じさせた。
「もう一人妹さんがいらっしゃるんですか?」
僕は妙な雰囲気を感じながらお姉さんに尋ねた。
「ううん、妹はそこの綾香だけよ。どうして?」
「い、いえ・・・・・なんとなく。」
僕はついつい口ごもってしまった。
「でも、君ってずいぶん大人びた口のききかたするわね。名前はなんていうの?」
「かずき・・・・・平井和樹っていいます。」
「そう、いい名前ね。でも、もうちょっと子供らしい喋り方の方がお姉さん好きだな。」
「どうやら随分子供扱いされている事に僕はようやく気付き、少し腹を立てた。でも『好きだな』という言葉に同時に胸が高まってしまった僕は意に反した台詞を話していた。」
「う、うん・・・・・お姉さんがそう言うなら・・・・・そうするよ。」
「うん、その方が子供らしくて全然可愛いよ。はい、これ。」
「えっ?」
お姉さんは僕の前にプリンを出してくれた。それも市販されているプラスティックの入れ物のままなんかじゃなく、わざわざ容器の上にいわゆる『ぷっちん』してあった。
「どうしたの?プリン嫌い?」
「い、いえ・・・・・。」
僕が戸惑ったのはプリンじゃなくて、それが乗っているお皿だった。なんというか、陶器では無く、お皿の上に可愛らしいキャラクターの描かれたどう見ても幼児用の食器だったからだ。加えて手前に並べられたスプーンも柄のところに幼児向けのアニメキャラの書かれている可愛らしいものだった。
「あっ、ごめんごめん。さすがにちょっと幼稚な食器だったかな?喜んでもらえると思ったんだけど。」
「い、いえ!頂きます!」
子供扱いされることには少し抵抗を感じたけど、僕はお姉さんの印象を悪くしないことだけをその時考えていた。
「おいしいです。」
プリンは本当に美味しかった。僕はそれを平らげながら少し大げさに言った。ところがその時思いがけない幸運が起こった。
「あらあら、慌てて食べなくていいのよ。」
お姉さんはそう言って、僕の唇の端についたプリンを手で掬うと、指についたプリンをそのまま舐め取ったんだ。なんだか間接キスの気がして僕は真っ赤になってしまった。
「んふふ、和樹君って本当に可愛いんだ。まるで弟が出来たみたい。」
お姉さんはそう言って僕の頭を優しく撫でてくれた。でも、次に彼女の口から出た言葉は僕を硬直させた。
「そういえば、和樹君は何年生なの?、二年生?三年生?・・・・・それとも意外と言葉遣いはしっかりとしているからひょっとして四年生かしら?」
僕はその時、自分の年齢を彼女に告げていない事、そして自分が小学生扱いされている事に初めて気付いてしまった。

「あ・・・あの・・・その・・・」
僕は気が動転して、どう答えていいのか分からなかった。今思うと、正直に中二だと答えれば良かったんだろうけど、その場は恥ずかしいのとお姉さんの間違いを指摘するのは悪いと考えてしまったんだ。
「に、二年生・・・・。」
気付くと僕はそう答えていた。詭弁を言えばそれは嘘では無かったし、なにしろ僕の身長はクラスで一番小さくて、悔しいけどそんな嘘もまかり通る筈だったんだ。
「あっ、やっぱりそうなんだ。でも、二年生にしては大きいね。クラスでも一番大きいんじゃない?」
お姉さんの言うとおり、いくら僕の背が低くても小学二年生にすれば大きすぎる。僕は話を合わせるようにして答えた。
「うん、僕がクラスで一番大きいんだよ。」
「そう。じゃあさぞかし人気者なんでしょうね。和樹君お顔も可愛らしいし。」
「う、うん・・・」
正直なところ僕は全然人気者なんかじゃなくて、時には華奢で女顔だからイジメに合うぐらいの情けない子だった。でもお姉さんが褒めてくれたし、その時はそれでいいと思ってしまった。本当は『可愛い』より『格好いい』が良かったけど。

しばらくそんな軽い会話を交わしながら、お姉さんは台所に立った。エプロン姿のお姉さんはとっても綺麗で、綺麗な長い髪が揺れる様子を僕は夢見心地で見つめていた。
「わーっ、凄い!」
お姉さんが用意してくれたのは、あったかそうなカレー鍋だった。
「腕によりをかけて作ったからね。小さい子はみんなカレー好きでしょ?」
『小さい子』は余計だったけど、実際のところ僕は大好物だった。
「さぁ、食べましょうか。」
お姉さんが僕の正面に座り、本当に夢の様な食事の時間が始まった。
「ねぇ、おいしい?」
「うん、とってもおいしいよ!」
そのお料理は本当においしかった。食べながらも僕の妄想は段々と加速して、本当の年齢を言ったらびっくりするかな・・・そこから僕の事を意識しだして・・・そのうちちょっといい仲になって、来年ぐらいには付き合ってたりして・・・・
「どうしたの?何か楽しい事でもあった?」
「い、いえ!!」
知らぬ間に笑みを浮かべてしまっていたらしく、指摘された僕は慌てて椅子から立ち上がった。
「あちいっ!!」
そして僕は情けない事に、手に持った取り皿を見事に自分の股間に落としてしまったんだ。
「まぁっ!大変!!」
お姉さんは慌てて立ち上がって、濡れたタオルで僕の体を拭いてくれた。
「ごめんなさいね。全然取れないわね。」
お姉さんの言う通り、カレーで黄色く染まった僕の服はそこからいい匂いを出している始末だった。
「ぼ、僕着替えてくるよ。」
残念だったけど、僕は一旦家に帰ろうと立ち上がった。でもその時気が付いてしまったんだ。ズボンのポケットに入れていた鍵が無くなっている事に・・・。
「どうしたの?」
「家の鍵・・・どこかで落としちゃったみたい・・・。」
「あらら・・・じゃあ家に入れないわね。」
「僕、ちょっと探してくる。」
でも、慌てて外に出て行こうとした僕をお姉さんは制した。
「駄目よ、もうお外は真っ暗じゃない。こんな時間に子供が外に出るなんて・・・。」
「で、でも・・・。」
「大体、こんなに暗くちゃ鍵なんて見つからないわよ。大人しく、お母さんの帰りを待ちましょう、ねっ。」
子供扱いはともかく、暗すぎるのは事実だった。僕はおとなしくお姉さんの言うことに従う事にした。
「でも、お洋服はそのままじゃまずいわね。ちょっと脱いでくれる?」
「えっ!?」
お姉さんの言葉に僕はドキドキした。
「洗濯してあげるわ。半分は私の責任だし。」
僕はお姉さんに言われるままに脱衣所に案内され、洗濯機に上着を入れるように指示されてしまった。
「悪いけど、しばらく私のお古着ていてくれるかな?」
お姉さんのお古・・・その言葉だけで僕は心臓が高鳴った。
「は、はいっ!ありがとうございますっ!」
僕は後々その言葉を後悔する事になる。

「脱げた?」
数分後、ブリーフ一枚の姿で所在無げにしていた僕の前にお姉さんが代わりの洋服を持ってやってきてくれた。
「あっ・・・」
僕は思わず恥ずかしくておちんちんの前を隠してしまったけど、お姉さんは笑って僕のブリーフに目をやった。。
「んふふ、子供がそんなの恥ずかしがらないの・・・あら、下着まで染みてるじゃない!それも脱いで。」
「ええっ!?」
「ほら、前の部分が黄色くなってるでしょ?」
お姉さんが僕の股間を指さす。実はそれはカレーのシミなんかじゃなく・・・なんかじゃなく・・・僕のオシッコのシミである事を僕は知っていた。白状すると僕はオシモが弱い。驚いたり緊張したりすると簡単に少しだけど・・・お漏らししてしまう・・・。でもその場は返って幸いだった。
「で、でも・・・。」
「でもじゃないでしょ?ほら、そう思ってちゃんと替えのパンツも用意してきたからね。」
「ええっ!?」
そう言ってお姉さんが差し出した下着を見て、僕はもう一度ブリーフを汚しそうになった。
「ねっ、ちょっと男の子には似合わないかもしれないけど、我慢して穿いててね。」
だって、お姉さんが僕に渡したのは小さな女の子が穿く様な、前の部分に可愛いイラストがプリントされたキャラクターショーツだったんだから。
「ちょ、ちょっとこれって・・・。」
僕は慌ててお姉さんにそう言って抗議した。
「うん、それもお古なのよ。ちょっと恥ずかしいけど我慢してね。私も恥ずかしいんだから。」
そう言って照れ笑いを浮かべたお姉さんに、僕は何も言うことができなくなってしまった。だって、年頃の女性がお古のショーツを男性に渡すなんて、お姉さんもとっても恥ずかしいだろうと思ったんだ。
「う、うん・・・ありがとうございます・・・・。」
結局、僕はその女児ショーツに足を通す羽目になってしまった。お古とは言ってもそのショーツはまだ綺麗だったし、お姉さんが穿いていたって考えたら僕も少し変な気分になってしまった。
「あれ?」
でも、僕はその時更に不思議な事に気が付いてしまった。一つは、こんな子供向けのショーツなのに、お姉さんが穿いていたにしては新しすぎること。そしてもう一つは、プリンタされたキャラクターがそんなに古く無かったことだ。それは僕の記憶では確か、五年ほど前にテレビでやっていたアニメだった。
「はい、こっちは上着ね。」
でもそんな疑問なんてどっかに行くみたいに、お姉さんの用意した僕にとって洋服は恥ずかしいものだった。
「ごめんね。ズボンとかあれば良かったんだけど・・・和樹君のサイズに合うのって、そんな可愛いのしかなくって。」
お姉さんの言うとおり、それはズボンどころかキュロットでさえなく、ピンク色をしたひらひらのワンピースだった。胸と腰の後ろには大きなリボン、スカートの裾にはチューリップの形をした大きなポケット。それに合うようにお姉さんはわざわざフリルのいっぱい付いた靴下まで用意してくれた。
「ちょっとの間だから我慢しててね。でも、和樹君って女の子みたいだからとっても似合うと思うわ。んふふふ。」
お姉さんは僕の気持ちなど考えずに、可愛らしい笑みを浮かべていた。
「じゃあリビングに戻りましょうか。」
お姉さんは洗濯機のスイッチを入れると僕の肩に手を掛けた。もう僕はそれだけでドキドキしちゃったけど、自分の今の格好を思い出すと恥ずかしくて堪らなかった。
「ホント可愛いわ。まるで妹がもう一人できたみたい。」
お姉さんがそんな事をいうから尚更僕の頬は真っ赤になっていたと思う。本当は妹なんかじゃなく、弟でもなく、対等なお付き合いをなんて言い出せる筈も無かった。
「おねぇちゃん、おしっこ・・・」
リビングに二人で戻ると、お姉さんの妹の綾香ちゃんが泣きそうな顔で待っていた。
「おねぇちゃん・・・・あやか・・・ちょっと出ちゃった・・・」
見れば綾香ちゃんの太股には少量のおしっこが伝っている。
「あらあらごめんなさいね。せっかくきちんと『おしっこ』って言えたのにね。」
お姉さんはそう言って綾香ちゃんを慰めると、小さな体を抱く様にトイレに向かった。その時、僕の携帯が鳴った。
「あっ、和樹!?」
相手は母さんだった。
「う、うん・・・どうしたの?」
僕は絶対に見えないと分かっていながらも、自分のしている格好が母に見られている様に思い、どきどきしながら電話に出た。
「ごめんなさい。仕事でトラブルがあって、今日遅くなりそうなの。先にご飯食べておいてくれる?」
「う、うん。」
返事をしてから、僕は大変な事を思い出した。
「あ、あのっ!母さんっ!!」
その声はもう届かなかった。携帯からは『ツーッ』っという音が聞こえている。普段携帯を手元に置いていない母にはこちらから連絡しても無駄だと言うことも分かっていた。
「どうしたの?電話?」
綾香ちゃんを連れて帰ってきたお姉さんが、彼女の為に新しいパンツをタンスの引き出しから出しながら僕に聞いた。
「はい、あの・・・今日は遅くなるって・・・。仕事上、よくあるんです・・・深夜まで帰って来ない事とか。」
それを聞いたお姉さんは同情する様に言った。
「そっかぁ。じゃあ和樹君っていっつも淋しい思いしてるんだねぇ。」
「い、いえ、そんなこと無いです。」
僕は意地を張って答えた。
「そんな事ないでしょ。まだ小学二年生なのに一人でお留守番なんて・・・」
僕は自分は小二だと思われている事を思い出した。それからもう一つ鍵が無いことも。
「心配しなくていいわよ。今日はお姉さんがずっと一緒にいてあげる。今日は停まっていけばいいよ。」
僕の不安を先回りして言ってくれたその言葉に、今度こそ僕は心臓は口から飛び出そうになった。
「で、でも!・・・迷惑じゃ!?」
そして、慌てふためく僕をお姉さんはぎゅっと抱いてくれた。
「いいのよ・・・小さい子はそんな事気にしないの・・・」
僕の顔はお姉さんの胸埋まり、母とは違う女の子の匂いに僕は失神しそうになってしまった。

それからしばらく綾香ちゃんも交えて、僕たちは三人で楽しい時を過ごした。そして時間はあっという間に流れ、九時も過ぎた頃、思いもかけなかった事実を僕は知ってしまった。
「あっ、もうこんな時間。」
お姉さんが急に立ち上がった。
「明日の準備しとかなくっちゃ。和樹君、ちょっと綾香を見ていてくれる?」
「はい、まかせておいて下さい。」
「よろしくね。やっぱりしっかりしているわね。」
お姉さんは僕の頭を一撫でして、隣の子供部屋らしい部屋に向かった。
「えぇっと、明日の時間割・・・。」
リビングからはお姉さんの様子が丸見えだった。僕は綾香ちゃんの世話を頼まれたことも忘れて、スタイルの良いお姉さんに見とれていた。でも、お姉さんの行動は僕に三度目の違和感を覚えさせた。
「一時間目は社会・・・二時間目は・・・・国語・・・・。」
学習机に並べられた教科書とノートをお姉さんはランドセルにしまっていく。
「綾香ちゃん、まだ小学生じゃないよね?」
僕は目の前にいる、どうみてもまだ幼稚園にも行っていない幼児に尋ねた。綾香ちゃんは笑ってテレビを見ているだけだ。そしてお姉さんの独り言が僕に全てを悟らせた。
「三時間目は・・・・算数ね。あっ!算数のドリルの宿題忘れてた!・・・・和樹くーん、ちょっと宿題してしまうから、もうしばらく綾香の事みていてくれる?」
隣の部屋から僕に語りかける彼女の声を、僕は呆然として聞いていた。
「そう言えば和樹君は宿題もう終わったの?」
事実を知ってしまい、どうして良いのかわからないままの僕の隣に『算数』のドリルを持った『お姉さん』が座り込んだ。
「あっ・・えっ・・・そのっ・・・。」
「あっ。まだ二年生じゃ宿題もそんなに無いわよね。いいなー、わたしもそんな頃に戻りたいなぁ。」
お姉さんはそう言ってドリルを開けた。中には分数や小数の計算の練習問題が並んでいる。彼女が本当に小学生である事を知り、僕は本当に困り果ててしまった。
「あっ・・・あのっ・・・。」
僕は思わず尋ねた。
「お、お姉さんの名前って・・・それから・・・・お姉さん・・・何年生?」
「そっかぁ。まだ名乗ってなかったわよね。」
お姉さんは、手を休めずに答える。
「私の名前は桃香、大森桃香っていうのよ。果物の桃が香るって書くの。まだ二年生の和樹君はまだ習ってない漢字だと思うけどね。学年は五年生、市立桜浜第三小学校の五年生よ。和樹君も同じ小学校だよね?」
僕は思わず頷いてしまった。桃香ちゃんに本当は年上、中学二年生だと知られるのが怖かったからだ。
「そういえば不思議よね。今まで学校でも会わなかったし、登校も一緒になったこと無いよね。」
それは当たり前だった。僕の通っている中学校は遠いから、桃香ちゃんより30分も早く家を出ている筈だった。
「あ、そっ・・・それより・・・」
僕は誤魔化そうと必死になった。
「や、やっぱり五年生のお勉強って難しいね・・・」
桃香ちゃんの算数のドリル指さして僕は必死に話題を避けた。
「そう?私塾行ってるから簡単で仕方ないのよね。」
桃香ちゃんはそう言って、まるで答えを書き写しているかの様に問題をすらすらと解いていった。
「和樹君は二年生だったら、足し算と引き算とか習ったとこかな?九九はたしか三学期だからまだだよね?」
中学生にもなって足し算引き算もないものだったけど、僕は話を合わせるしかなかった。
「う、うん・・・でも僕・・くりあげとかがわからなくって・・・。」
「そっかー。」
桃香ちゃんはあっという間に宿題を終わらせるとドリルを閉じた。
「じゃあお姉さんが算数教えてあげようか。ちょっと待っててね。」
「あっ!そのっ!・・・」
僕が止めるのもきかず、桃香ちゃんは部屋の押入から二年生の時の教科書を持って来た。
「じゃあ、どのへんが分からないかお姉さんに教えて。遠慮しなくていいのよ、学校の先生だと思って聞いてくれたらいいから。」
こうして僕は小学五年生の女の子に算数の計算を教わる羽目になってしまった。それはとても恥ずかしくて、屈辱的な事だったけど、隣に座った桃香ちゃんと体が触れる度に僕は幸せな気分になってしまっていた。こんな大人っぽい彼女が年下の小学生なんかの筈が無い。僕はいつの間にか自分自身を欺瞞していた。


『あれ・・・・・・・・』
ここはどこだろう・・・。気が付くと僕は仰向けに寝転がっていた。頭の上には見慣れた天井。でも、なんだか様子が違う。ここは僕の家じゃない・・・。
「可哀想に・・・・疲れてたのね・・・。」
その女の子の声で僕は意識を取り戻した。そうか、僕は情けない事に桃香ちゃんに勉強を教わりながら、うつらうつらと寝てしまったらしい。
「風邪引いちゃうわよ・・・。」
薄目を開けると桃香ちゃんが僕にタオルケットの様なものを掛けてくれているところだった。僕は厚かましくも寝たふりをしてそれに甘える事を選択した。
「可愛い寝顔・・・。」
桃香ちゃんは小さな子を扱い慣れてるみたいで、僕の髪を優しく撫で、添い寝をする様に横になった。目の前に桃香ちゃんの唇があるかとおもうと僕の心臓が高鳴った。
『駄目だ・・・桃香ちゃんは・・・小学生なんだぞ・・・』
僕は自分に言い聞かせる様に寝たふりを続けた。でも次の瞬間、桃香ちゃんが驚くべき行動を取ったんだ。
「もう二年生だから大丈夫だと思うけど・・・・・。」
桃香ちゃんは何か思い出したようにそう言って立ち上がると隣の部屋の押入からなにかを探してる様だった。そして僕の傍に戻ってきたかと思うと・・・
「いい子でねんねしててね。」
そう言って僕の下半身のタオルケット、そして僕の穿いている-桃香ちゃんのお古の-ワンピースのスカートを捲り上げたんだ。僕はあまりの事に声も出なかった。
そして桃香ちゃんはあろうことか僕の穿かされている小さな女の子用のショーツまでをも売り下げてしまった。
「んふふ・・・やっぱり小学二年生らしい可愛らしいおちんちんね。」
年下の女の子に自分でも小さいと分かっているオチンチンを見られ、僕は恥ずかしくてたまらなかった。でも・・・だからこそ・・・そのまま寝たふりを続けないとならなくなったんだ。そしてその時、今考えるととてもおかしいことだけど、僕にちょっぴりだけやましい気があった事も否定出来ない。つい最近友達から聞いたHな言葉・・・そう・・・女の人がオチンチンをお口で咥える『ふぇらちお』ってやつをされるのかなって僕はドキドキしながら期待に近い物を感じていた。ところが・・・・
「ちょっと恥ずかしいけどごめんね・・・でも、カーペット汚したら大変だからね・・・。」
お姉さんは僕の両足を持ち上げて、僕のお尻の下に何か敷き込んだ・・・。そのなんだかごわごわしてふわふわする懐かしい感触・・・。
「うん、なんとかサイズは大丈夫ね。綾香には大きすぎたけど捨てなくて良かったわ。」
お姉さんはそう言って僕のお尻から股にかけて、その敷き込んだものをあてがった。それから今度は僕の両方の腰から回したものを僕のお腹で留める。
「んふっ・・・・和樹君、赤ちゃんになっちゃったわね。」
その下半身のもこもこする感触に、僕は自分が紙オムツをあてられてしまった事をいやが上にも思い知らされた。


続きます

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